愛育同居~エリート社長は年下妻を独占欲で染め上げたい~
抱いてくださいと言ったのは私だけど、桐島さんがそう説明してくれたことで、今夜、体を重ねることはないと思っていたのだ。

それなのに彼が私のパジャマを脱がそうとしているから、動揺してしまう。

そんな私の背中を強く抱きしめた彼は、甘く囁くような声で、説得に乗り出した。


「せっかく君が勇気を出して言ってくれたんだ。男として、この好機を逃したくない」


勇気……というよりも、あれは怒りと悔しさに突き動かされての大胆発言で、腹立たしさを感じていない今はもう、すっかり奥手で恥ずかしがり屋の私に戻ってしまっている。

どうしようとうろたえる私の心が後ずさりしないように、彼は力強い声で決意を促した。


「もっと有紀子に近づきたいんだ。大丈夫、怖くない。身も心も、君の全てを俺にゆだねてほしい」


私も、もっと桐島さんの近くにいきたい……。

揺れ動いた心が、前へ向いた。

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