愛育同居~エリート社長は年下妻を独占欲で染め上げたい~
「桐島さん……!!」

その胸に勢いよく飛び込めば、堰を切ったように大量の涙が溢れ出す。

強く抱きしめられ、私も縋り付くように彼の背に腕を回した。

咽び泣く私の様子で、どれだけ寂しさを我慢していたのかは伝わったようで、彼が耳元で「すまなかった……」と申し訳なさそうに謝った。


「何としてでも二年で帰りたいという思いから、休みも取らずに仕事をしていたんだ。有紀子に連絡しようとしてもーー」


桐島さんが言うには、深夜に帰宅してから私にメールをしようと、毎晩のように思っていたそうだ。

しかし、スマホを手にしても、書きかけで気を失うように寝落ちしてしまい、翌朝は慌ただしく出社。

その繰り返しで、なかなか連絡できなかったのだと。


毎日、私のことを気にかけてくれていたと知り、嬉しくて胸が痛い。

それと同時に、彼をそれほどまでに忙しくさせてしまったのは、二年という短い約束の期間のせいで、私に非があるような気がして申し訳なく思った。

涙声で「すみません……」と謝れば、彼は私の頭を撫でて、「違うよ。俺が二年しか耐えられなかったからだ。常に有紀子を求めていた。それ以上離れて暮らすのは、無理だったんだ」と温かな声でフォローしてくれた。

彼は「その甲斐あってーー」と、仕事の成果について、明るい声で話しだす。

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