愛育同居~エリート社長は年下妻を独占欲で染め上げたい~
「昔から懇意にしている不動産屋さんに相談したら、ここの近くで似たような家賃の物件を探しておくと言ってくれました。ただ、食事付きの下宿というのは難しいみたいで……」


私の話を無言で聞いてくれる下宿人たちは、一様に困っているような残念そうな顔をしている。

怒られることも覚悟していたのに、誰ひとりとして文句を言わず、「本当にすみません」と何度も頭を下げた私に、「仕方ないことだよ」とありがたい言葉をかけてくれた。


「有紀子ちゃん、今まで頑張ってくれてありがとう」言ってくれたのは大学生の鈴木さんで、桐島さんではないもうひとりの社会人男性は、「これからどうするの?」と私の今後を心配してくれる。


私はここを処分する前に、就職先を見つけようと考えている。

できるなら、正社員として雇ってもらえるところで働きたい。

高卒の資格しかない私なので、難しいかもしれないが、やれるだけの就職活動はしてみようと思っている。


そして安アパートに引越して、更地にしたここの土地を売って借金を完済し、残りのお金を弟の大学入学資金に充てる。

弟はまだ高校二年生だけど、一年半などあっという間に経ち、まとまったお金は必ず必要になるのだ。

生活費と弟への仕送りなどは、これから就職した先の私の給料で賄おうと考えていた。
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