愛育同居~エリート社長は年下妻を独占欲で染め上げたい~
「小川さんは真面目な方ですね。そんなにかしこまらないでください。どちらかというとフランクな雰囲気の会社なんです。社長をはじめ、上役の方々も気さくに声をかけてくれますし、怖い人はいませんから。もっと肩の力を抜いて」

「は、はい」


フランクとまで言っていいのかわからないけれど、社内の雰囲気は明るいと感じる。

それはなぜだろう?

初出社の私に向けられる、社員たちの眼差しが柔らかいせいか、それとも各部署内から時々笑い声が漏れ聞こえるせいなのか。

女性社員の装いがお洒落で、色鮮やかであるからなのかもしれない。

私のようにグレーのリクルートスーツを着て働いている女性は、見たところ、ひとりもいないようである。


明日からは、ブラウスにカーディガンを羽織るくらいの服装にしようかな。

このスーツだと、私だけ浮いて見えるもの……。


二階、三階と、各部署と会議室の場所を説明してもらいながら歩き、階段を上って四階のフロアに立つ。

するとこの階だけはやけに静かで、廊下を行き交う社員の姿がなかった。

他の階のドアは白い事務的な印象のシンプルなものであったけれど、ここは味わいのある木目の素敵なドアが不規則間隔に並んでいる。

白い壁にはお洒落な現代アートの絵画も飾られていた。

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