愛育同居~エリート社長は年下妻を独占欲で染め上げたい~
祖母が目尻にたくさんの皺を寄せている。


「武雄、元気にやってるみたいだね。嬉しいよ。まっすぐに育ってくれて、あの子は本当にいい子だよ」


しみじみとした感想の中に、孫を想う祖母の温かな心と、保護者としての責任のような重みが感じられた。

私たち姉弟は、祖母に育ててもらい大きくなった。

両親は、弟が一歳の時に離婚して、母とは音信不通である。今どこでなにをしているのか、さっぱりわからない。


会社員だった父は十二年前に交通事故で他界してしまった。

私が十歳、弟が五歳の時である。

それ以来、私たちの親代わりとなり育ててくれた祖母には、感謝してもしきれない。


武雄の写真を嬉しそうに眺める祖母に、「手紙もついてるよ」と、私は弟からのメッセージを読み上げる。


「【ばあちゃん、姉ちゃん、いつもありがとう。大人になったら恩返しするから待ってて】だって」

「そうかい。それじゃあ、武雄が高校と大学を出て働くようになるまで、ばあちゃんは死ねないね」

「武ちゃんがいつかお嫁さんをもらって、ひ孫を抱くまで元気でいてくれないと。ううん、玄孫が生まれるまで長生きしてね」


それは私の心からの希望であったのだが、祖母は冗談と受け取ったようで、「百二十まで生きろってかい?」と笑っている。

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