愛育同居~エリート社長は年下妻を独占欲で染め上げたい~
桐島さんの足音が完全に聞こえなくなってから、ふたりの社員が私の席に寄ってくる。
ふたりとも三十代前半の男性で、私を挟むように両サイドに立ち、からかうような調子で話しかけてきた。
「小川さんをよろしくお願いします、だって。社長は過保護だな」
「え? あの、社長は、“私を”よろしくとは言っていなかったと思うんですけど……」
右を見て控えめに反論すれば、左側のもうひとりの男性社員に笑いながら切り返される。
「言ってなくても、俺にもそう聞こえたよ。社長は間違いなく、小川さんを心配してここに来る。可愛くて仕方ないって感じだな」
桐島さんがこの部署に顔を出すのは、私のことが心配であるから。
それは私も感じていることで異論はないけれど、そんなふうに面白がられては返事に困るし、恥ずかしくなる。
「もしかして、恋人なの?」とも聞かれ、さらに顔を熱くする私が全力で首を横に振っていたら、他部署での打ち合わせから戻ってきた本橋さんが助けてくれた。
「先輩方、小川さんを困らせていないで真面目に仕事してください。小川さんを通して社長に言いつけますよ」
ふたりとも三十代前半の男性で、私を挟むように両サイドに立ち、からかうような調子で話しかけてきた。
「小川さんをよろしくお願いします、だって。社長は過保護だな」
「え? あの、社長は、“私を”よろしくとは言っていなかったと思うんですけど……」
右を見て控えめに反論すれば、左側のもうひとりの男性社員に笑いながら切り返される。
「言ってなくても、俺にもそう聞こえたよ。社長は間違いなく、小川さんを心配してここに来る。可愛くて仕方ないって感じだな」
桐島さんがこの部署に顔を出すのは、私のことが心配であるから。
それは私も感じていることで異論はないけれど、そんなふうに面白がられては返事に困るし、恥ずかしくなる。
「もしかして、恋人なの?」とも聞かれ、さらに顔を熱くする私が全力で首を横に振っていたら、他部署での打ち合わせから戻ってきた本橋さんが助けてくれた。
「先輩方、小川さんを困らせていないで真面目に仕事してください。小川さんを通して社長に言いつけますよ」