愛育同居~エリート社長は年下妻を独占欲で染め上げたい~
本橋さんはにこやかな笑みを浮かべていて、本気で注意している雰囲気ではないが、ふたりの男性社員は焦りを顔に浮かべ、私からすぐに離れた。
「それは勘弁して」
「社長は普段は温和だけど、怒らせると怖いからな。要求も多いし、チェックも細かい。営業部の同期が、この前、厳しいこと言われたって嘆いてたよ」
それだけ言って、それぞれの席へと戻っていく男性社員の背を見ながら、私は目を瞬かせていた。
桐島さんが、怖い……?
大きな会社のトップであるなら、厳しい面も必要だとは思うが、私は桐島さんの優しい顔しか見たことがないので、怒る姿を想像できなかった。
私の知らない桐島さんの顔があるのだと思えば、それを見たくなる。
大失敗をして迷惑をかけ、怒らせたいわけではないけれど……。
それからは、本橋さんに教えてもらいながらの静かなデスクワークが続き、時刻は十八時の定時になる。
途中のパソコン作業が、あと少しで終わりそうなのでやってしまいたいけれど、試用期間の三カ月の間、私に残業は許されていない。
今は仕事をするというより、学びの期間なので、残業代をいただく権利はないのだ。
「それは勘弁して」
「社長は普段は温和だけど、怒らせると怖いからな。要求も多いし、チェックも細かい。営業部の同期が、この前、厳しいこと言われたって嘆いてたよ」
それだけ言って、それぞれの席へと戻っていく男性社員の背を見ながら、私は目を瞬かせていた。
桐島さんが、怖い……?
大きな会社のトップであるなら、厳しい面も必要だとは思うが、私は桐島さんの優しい顔しか見たことがないので、怒る姿を想像できなかった。
私の知らない桐島さんの顔があるのだと思えば、それを見たくなる。
大失敗をして迷惑をかけ、怒らせたいわけではないけれど……。
それからは、本橋さんに教えてもらいながらの静かなデスクワークが続き、時刻は十八時の定時になる。
途中のパソコン作業が、あと少しで終わりそうなのでやってしまいたいけれど、試用期間の三カ月の間、私に残業は許されていない。
今は仕事をするというより、学びの期間なので、残業代をいただく権利はないのだ。