独占欲高めな社長に捕獲されました
まるでカラオケの発表会に着ていくようなベロアワンピースを着たおばあちゃんと、スーツを着たお父さんが、颯爽と現れた。お父さんはおばあちゃんを紳士的にエスコートしている。
「西明寺社長さんに招待していただいたのよ」
「昴さんが?」
振り返ると、昴さんが意味ありげに微笑む。
「もしや今の提案の話、ふたりはすでに知っているとか?」
「そう。お二人は承諾してくれたよ。あとは美羽がうんと言ってくれたら、商談成立」
なんと準備のいい。知らなかったのが私だけというのがちょっと気にかかるけど、二人がいいなら私に異存はない。
おそらくおばあちゃんも体力的不安があり、適切に絵を保存してくれるなら、と思ったんだろう。お父さんは借金の肩代わりをしてもらった恩を感じているからに違いない。
「わかりました。よろしくお願いいたします」
深く頭を下げた。昴さんにはお世話になりっぱなしだ。
「顔を上げてくれ。もうひとつ、美羽に承諾してほしいことがある」
「なんでしょう。おばあちゃん、それももう知っているの?」
おばあちゃんたちに尋ねると、二人とも含み笑いで返してきた。何も言わないところをみると、やっぱり知っているらしい。