独占欲高めな社長に捕獲されました

「もう、なんですか。私ばっかりのけものにして」

 一緒に相談の場に加えてくれればよかったのに。こんな回りくどいことして、何のサプライズ?

 むっと膨れた私は、ぷいと横を向いた。その瞬間、ガサガサと大きな音がしたので、気になって昴さんの方に向き直った。すると。

「うぷわ」

 目の前に差し出されたのは、両手いっぱいの花束。ピンクや赤の薔薇だ。むせかえるような花の香りの向こうから、昴さんが囁く。

「美羽」

「は、はい」

「俺と結婚してくれ」

 今までの人生でなかったくらいの衝撃に、思いきり目を見開いてしまった。

 魔法が解けるかもしれないと、何度も瞬きをしたけれど、薔薇の花束もその向こうの昴さんの顔も、美しさが霞むことはない。

「美羽、返事」

 お父さんに背中をつつかれて、我に返った。

 まさか、身内の前でプロポーズされるとは。恥ずかしさで顔から火が出そう。

「だって、突然すぎて」

 言い訳するように返すと、お父さんは「は?」と首を傾げた。

「ハンガリーの病院に迎えに来てくれた時にも言っていたじゃないか。社長さんが、『美羽さんを俺にください』って」

「いや、それは覚えているけども」

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