独占欲高めな社長に捕獲されました

 一緒にいたら、私の嫌な部分がどんどん見えてしまうことだろう。それは相手にとっても言えることだ。

 でも、私は……。

「よろしくお願いします!」

 まだ昴さんの腕の中にあった花束を、奪うように抱きしめた。

「ああ、よろしく。不器用なお前が大好きだよ、美羽」

 昴さんは私と花束を一緒に抱え込む。彼の腕の温かさを感じると、不思議に涙腺が刺激された。

 ぱちぱちと、二人分の拍手の音が聞こえる。涙で濡れた視界で昴さんを見ると、彼はそっと私にキスをした。




 新ホテルが無事にオープンした約半年後、私と松倉先輩が手掛けていたクラシカルホテルの改装も終わった。

 もともとの和洋折衷の面白さを活かしつつ、老朽化をカバーした新しいホテルは、お客様の入りも良くなってきているらしい。

 おばあちゃんは建設中のリゾートホテルができるまでは、のんびりと今まで通りの生活を続けるそうだ。お父さんは今は実家で絵を描いているけど、またいつ海外へ飛び出してしまうかわからない。気まぐれだから。

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