残念系お嬢様の日常
微熱と言われると急に身体がだるくなってきた気がする。
寝不足もあるだろうけど、昨日は暖かかったのに今日はぐっと気温が下がったから体調崩したのかな。
頭も痛いし、授業受けるのはしんどいから、このままここで休んでしまおうかな。
「先生、ここで少し休んでもいいですか」
「ええ、右のベッドを使って。左は別の人が今寝ているから」
「わかりました」
先生からもらった頭痛薬を二錠飲んでから真っ白なベッドの中に入る。横になると身体の力が一気に抜けていく気がした。
体調崩して保健室で寝ていたなんて蒼に知られたら心配かけるだろうなぁ。
普段から蒼には心配ばかりかけて姉らしいことなんてなにもできてない。この間は私の英語の成績があまりよくないからって勉強みてくれたんだよね。
蒼は頭も良くて運動もできるけれど、それはこつこつと努力をしてきたからこそ得たものだ。
そんな蒼にお母様もお父様も本当の息子のように愛情を注いでいるのがわかる。
今の私からしてみたら嬉しいことだけれど、前世の記憶が戻る前の私はそんな蒼が羨ましくて少し妬ましかった。