残念系お嬢様の日常


災難だ。できればこのカーテンを閉めて、シャットアウトしたいくらいだ。

どうしてこう絶妙なタイミングで現れるのかな、この男は。


「熱大丈夫?」

「微熱なので大丈夫です」

「そっか。それにしても、こんなところで君と二人になれるなんてラッキーだなぁ」

嘘つけ。私のこと警戒しているくせしてよくもまあそんな言葉を吐けたもんだ。

そもそも雨宮が医務室のベッドで寝ていることが意外なんだけど、もしかしてサボり?

確かこの人頭いいはずだから、少しくらいサボってもへっちゃらなんだろうな。


「あのさ、君に聞きたいことが……」

ドアが開かれる音が聞こえ、雨宮が話を止める。

先生が帰ってきたのかと思いきや複数の足音がした。


「絆創膏は確かここ……ありましたわ」

「ありがとう」

「傷が浅くてよかったわ。戻った頃にはクッキーも焼けているかしら。楽しみね」

どうやら先生ではなく、女子生徒数名のようだった。





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