残念系お嬢様の日常


ん〜、味が染み込んでいて美味しい!

桐生家は和食が基本なのかな。フレンチも好きだけど、やっぱり和食も最高だ。


「で、笑わせる方法は思いついたの?」

その質問に箸を止める。

簡単に思いつくくらいなら、この人は私に弟を笑わせろなんて言ってこないだろう。

私みたいな会ったばかりのヤツにいきなり頼むのは無茶ぶりすぎるでしょう。第一貴方の弟と親しいわけではないし。


「思いつきません。彼の笑いのツボは貴方の方がご存知なのでは?」

「知らないよ。ほとんど会話しないから」

さらりと口にした言葉は刺々しくもなく、悲しげでもなくただ本当のことなのだということは伝わってくる。


そのくらいこの人たちは兄弟らしくは過ごして来なかったのかもしれない。




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