残念系お嬢様の日常
「なっ!」
「その名前に誇りを持っているなら、汚さないように気をつけて。こんな場所で同じ花ノ姫の人を虐めているなんて知られたら、大事な名前に傷がつくよ」
さすがは真莉亜の弟というべきなのかしら。あの雅様と英美李様を黙らせてしまうだなんて。
姉弟といっても容姿はあまり似ていないけれど、立ち向かっていくかっこいいとことは似ているわ。
「行こう。姉さんが待ってる」
「は、はい」
彼に促されて、廊下を突き進む。真莉亜が呼んでいたから声をかけてきてくれたみたいだけれど、助けられてしまったわ。
お礼を言いたいけれど、話しかけるタイミングがつかめない。
男の子って苦手だけど、彼はまた少し違った感じがして、先ほど雅様たちに向けていたような冷たい眼差しを向けられたらと考えると怖くて萎縮してしまう。
右折して階段を登りきると、背後を確認してから彼が安堵したようにため息を吐いた。
「ごめん、嘘」