残念系お嬢様の日常


「……いって……じゃないか」

「なんですか?」

「会いたいって、言ったじゃないか……」

「貴方にスミレが?」

一木先生は血相を変えて、目を大きく見開いてこちらを見つめてくる。

恐ろしいくらいの怒りで塗りつぶされた表情に身を強張らせる。

今にも襲いかかってきそうなほどで、真莉亜がそっとスミレの身体を後ろに押した。



「ああ、言ったじゃないか! っそれなのにどうして別の男を見てるんだ!! 画像を送っていたのがキモい男だったら、嫌かもしれないが僕だぞ!? むしろ好かれて嫌がる女子生徒なんていない!」

「都合のいい自惚れね」

真莉亜の言葉には聞く耳を持たず、一木先生はスミレに向かって叫ぶように怒鳴りつけてくる。



「っ本当はいつもメッセージが来て、気になっていたんだろう? 関心が湧いたんだろう? それであんなメッセージを」

「ねえ、先生。それって自分が犯人だって肯定してしまっていますよ」





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