残念系お嬢様の日常


久世と一緒にいた女の子……希乃亜のことか。

あの二人は前々から知っていた。

他にも知っている人ならいるけれど、このタイミングなのはなにか意味があるのだろうか。

俺と姉さんのことを知った人が増えた直後に流れるなんて、普通なら彼女たちを疑ってしまう。

だけど、そんなわかりやすいことをする人たちには見えない。……人の本心なんてわからないけど。



「あとは両親と伯母と叔父。大人なら知っている人もいるかもしれないから、両親から聞いているって人もいるかもしれない。でも噂になるんだったらもっと早くなっているはず」

「じゃあ、犯人は絞りきれないね」

真栄城さんはため息まじりに呟くと、隣で「呪術で見つけ出す」と言い出す東雲さんを苦笑しながら止めた。


「前に雲類鷲さんがプールに落ちたときも中等部の子はあえて雲類鷲さんを狙って落としていたように見えたんだ」

プールに落ちた件は浅海を庇おうとして落ちたと聞いていたけれど、その場にいた浅海本人がそういうのなら最初から姉さんが狙われていたということなのか?


それとも突然現れた姉さんが邪魔で落としたのか?





< 517 / 653 >

この作品をシェア

pagetop