残念系お嬢様の日常
「……瞳こそ、好きな人いるんじゃないの?」
「もう潮時なのかも。ハルトさんっていうんだけどね……おめでとうって言われちゃったんだ。ずっと好きで、振り向いてもらえなくても傍にいられたらって思っていたけど。そんなの相手にとっては迷惑だったんだと思う」
切なげに微笑む瞳からは本当に相手のことが好きなのだと伝わってくる。
振り向いてもらえなくても傍にいたいと想っていた相手から婚約を祝福されたことが瞳にとってはなによりも辛いことだったはずだ。
「婚約の話は、きっと次のパーティーで進むと思う。パーティーといっても、真栄城家主催のこじんまりとしたバースデーパーティーなんだけどね」
「バースデーパーティーって瞳の?」
「うん。ここ数年は父様が海外にいたんだけど、最近こっちに戻ってきて誕生日をお祝いするって張り切っちゃって。真莉亜にも招待状送って大丈夫?」
「ええ、もちろん」
瞳の誕生日のお祝いを本来なら私たちも盛大にやりたい。
けれど、スミレと瞳の関係が戻らなければ、みんなでいつものように笑って過ごせないだろう。