残念系お嬢様の日常
「……真莉亜は久世光太郎との婚約が決まっているんだよね?」
「婚約のことなら私の方は白紙へと進んでいるわ」
「え、そうだったんだ」
久世からの報告によると父親には了承してもらったらしく、残るは母親だけだと言っていた。
後日改めて私の両親と伯母様にも話をしてくれるらしい。
……大激怒するのは予想がつくけれど。
「あのさ、真莉亜は雨宮が私と婚約してもいいの?」
「え……ど、どうして?」
「もしかしたら真莉亜は彼のことが好きなのかなって思っていたから」
「私が!? 雨宮様を!?」
あまりにも驚いて大きな声を上げてしまった。瞳は不思議そうに首を傾げる。
「違った?」
「ち、違うわよ……あんな人、別に」
「本当? それなら本当にこのまま婚約者になってもいいの?」
「私は彼のことなんて……」
ただの協力者ってだけだし、笑顔胡散臭いし、優しいところもあるけれど何考えているのかわからないし……。
あっさりと終わりだねと言われたときは寂しく思ったけど、そっけない感じがむしゃくしゃするけど、好きとかそんなのよくわからない。
だいたいなんで急に冷たくなるのよ。
ちょっとは仲良くなれたと思っていたのに。ああもう、なんかもやもやする。
あんな作ったような笑顔……見たくなかった。