残念系お嬢様の日常
「景人様、流音様は一緒ではないのですか?」
流音様が見当たらず、探していると景人が窓側を指差した。
「拓人と一緒にいる」
「え!」
「普段と全く違うからわからなくて当然だよ」
艶やかな着物姿でトレードマークのパペットを持っていない流音様は別人のようだった。
隣に並んでいる桐生拓人も着物姿だ。
「景人様は着物にしなかったのですか?」
「流音に誘われたけど、断った。着物苦手なんだよ。息苦しくて」
彼ならきっと着物姿も様になっただろうな。
そんなことを考えていると、にやりと笑って「見たかった?」と聞いてきた。
「まあ、ちょっと見てみたい気もしますけど」
「ふーん」
「似合うのはどうせわかっていますので」
「まあ、そうだろうね」
自分で認めてしまうのも彼らしい。
私が笑うと景人も同じように笑っていて、少し和やかな雰囲気になる。こんな風に笑うのは久しぶりかもしれない。
またみんなで笑って過ごせる日々が来てほしい。