残念系お嬢様の日常
昼休みになり、スミレ達との待ち合わせ場所である食堂へ向かおうとしていると、天花寺に声をかけられた。
こ、これはますます何かが起こる予感! や、やだ、どうしよう心の準備が!
「あの、雲類鷲さん」
「は、はい」
照れくさそうに頬を染めている天花寺。何か言いたげで、これは期待するなという方が難しい。
でもでも、天花寺はヒロインと結ばれるはずなのにこんな展開ありなの? それとも後々、「やっぱり君は無理だ」とか言われて、浅海奏に乗り換えられちゃうパターン!?
うわあああ、なんて答えればいいんだろう!
「ずっと伝えなくちゃって思っていて……」
薄茶色のサラサラな髪にくっきりとした二重の正統派イケメンな天花寺。これはときめかずにはいられない。
「雲類鷲さんの………………パン」
「……パン?」
「ツ、見てしまってごめんなさい!」
それかーい!! はい、もう穴があったら埋まりたい。