残念系お嬢様の日常


男として生活するといっても、書類上は女だ。

制服も男物を着てはいけない決まりはないので、彼女自身は悪いことはしていない。ただ、周囲から男として扱われるようにしているだけだ。

事情を知っている先生からは、体育などは個人の判断に任せると言われたそうだ。出席さえしていれば、問題はないからと。

特待生の浅海さんの場合は学力のほうが大事だと思われているのだろう。漫画だと、天花寺達が色々とフォローしていたしこの世界でもきっと問題ないだろう。


少しして先生が着替えの制服とタオルを持ってきてくれたので、医務室のベッドの周りの白いカーテンを閉めて、その中で着替えることにした。

先生は浅海さんの性別を知っているみたいで、浅海さん用に男女両方の制服を持ってきてくれていたけれど、浅海さんは男子の制服の方を選んだ。やっぱり卒業まで男で通すつもりらしい。


まあ、少し気持ちはわかる。あのお嬢様たちに知られたら大変なことになりそうだもんなぁ。

そんなことを考えながら、ワイシャツのボタンに手をかけると医務室の中に誰かが入ってきた。足音がいくつか聞こえるため、数人いるみたいだ。


「先生、雲類鷲さんと浅海くんは……」

えっ! この声、天花寺だ!




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