ひまわり男子とシンデレラ



箱を開けるとそこにはうさぎのキーホルダーと一通の手紙。
添えられていた手紙には私の“笑顔”が好きと書かれていた。


手紙を抱きしめ泣きながらも無理やり笑顔をつくるが、頬は引きつりまともに笑えない。



大丈夫。笑える。私は笑える。
彼が好きだと言ってくれた笑顔を無くさないように・・・笑え、私・・・笑うんだ。



そしてこの日を境に私は泣くことをやめた。
まるでどこかに涙を落してしまったかのように、この日から泣くことはなかった。





     “ 私はもう泣かない ”





        *****        



ピピピピピッ・・・ピピピピピッ・・・ピピ・・・



「・・・んっ・・・」



眠たい・・・。まだ寝たい・・・。


瞼はまだ重たく、上下が仲良く引っ付いている。
未だ鳴り続けるアラームを止めるため、手探りでスマホを探すが見つからない。


しぶしぶ瞼を開け目的の物を探すと割と近くにあった。


画面に表示されている時間は6時15分。
土日明けの日はどうしても朝起きるのが辛く感じる。



「・・・起きなきゃ」



もぞもぞと布団から抜け出し、上に向かって体を伸ばす。
閉めていたカーテンを開けると眩しい程の朝日が差し込んできた。
< 3 / 10 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop