極上恋慕~エリート専務はケダモノでした
(……断られることだって、ないとは限らないよね? 私がずっと返事を先延ばしにしてしまったのがいけないんだし)
もし断られたらどうしよう。
そう思うと、チョコレートを彼に押しつけて、逃げたくもなった。
今日までのことを思い出して、きっと彼の想いに変わりはないと信じたい。
返事を待たせてしまったのは自分なのだから、それも随分都合のいい前向きさだけど、そう思わないといられない。
手足が震えそうになるのをぐっとこらえ、彼の答えを待つ。
きっと、耳の先まで真っ赤になっていそうだ。熱くて燃えているよう。
ドキドキと派手に鳴り響く鼓動の音が、血流に乗って全身を駆け巡る感覚がする。
(これは、告白ってことでいいのかな? 返事をくれているということ?)
万佑の気持ちを言葉で伝えてもらえず、環は少しの間考えた。
単に日頃のお礼だとか、告白の返事はまだできないけれど、バレンタインだったから渡しておくべきだと思っただけなのかもしれない。
近頃のバレンタインチョコレートには様々な意味があることを、身を以て知っているせいで、必要以上に考えてしまう。