極上恋慕~エリート専務はケダモノでした
【連絡が遅くなってごめんね。今日もお疲れ様。もう帰った?】
送信するとすぐに既読のマークがつき、せめて時間を共有できていることにホッとする。
【お疲れ様です。私は帰ってますよ。永縞さんは?】
【俺も帰ってきてたけど、仕事の連絡が次々入って、やっと解放されたところ】
もう22時前。金曜の夜や週末くらい一緒に過ごしたいのに、文字のやり取りが焦れったい。
環は画面を切り替え、万佑の連絡先を選んで電話を掛けた。
『――もしもし』
「今、話せる?」
『もちろんです! 私も声が聞きたいと思ってたところで……』
せっかく恋人同士になったのに、まともに会えずにいる。
それでも彼女が文句を言わずにいてくれるのは、自分の仕事に理解を示してくれているからだろうし、彼女自身も多忙だからかもしれない。