極上恋慕~エリート専務はケダモノでした
環がリクエストしたメニュー以外に、ほうれんそうの胡麻和えと白菜の浅漬けも作り、ダイニングテーブルに並べた。
普段自炊しない彼らしく、盛り付けた皿は白か黒の2種類しかない。菜箸もなかったので、食事用の箸で調理したくらいだ。
万佑は、ふたりのためにも買い揃えようかと考えながら、お酒の準備をしてくれた彼と向かい合って椅子に座った。
作った食事はどれも好評で、あっという間になくなっていく。
男性らしく、大口でモグモグと美味しそうに食べてくれる彼は、ご飯と味噌汁をおかわりしてくれた。
「俺の好きな味付けが分かるなんて、最高の奥さんだなぁ」
「褒めすぎです。それに、まだ婚約もしてないのに」
「そっか、そうだった」
ふたりは笑顔を絶やすことなく、近況を話しながら、残すことなくすべて平らげた。
しかし、環はこれから話すことを考え、万佑の気持ちを思うと、心が重いし、ズキズキする。
一緒にいて楽しいと思ってもらえるような時間をたくさん作りたいと、そう思っていたのは本当だけど、やっぱり隠し事を抱えたままでいるのは心苦しいものだった。