極上恋慕~エリート専務はケダモノでした
食後、リビングのソファで並んで座り、ハイボールを少しずつ含み味わう。
近くを流れる目黒川は花見の時期を迎え、部屋の窓からも少し桜並木が見えて綺麗だ。
「そういえば、友達には話したの? 俺とのこと」
「まだ誰にも。忙しくてそういう話をする時間も取れなかったから……。あ、でも異動して落ち着いたら、話すつもりです。今の会社の同期にも、打ち明けようかなって考えてはいます。言わないでいるのもよそよそしいっていうか……。永縞さんは?」
「俺も、まだ誰にも。仕事ばかりしてるからなぁ」
環は万佑の返事に安堵しつつ、これから話す身勝手を受け入れてくれるかどうかを思い、内心落ち着かない。
隠し事はどうにも性分に合わないのだ。
「来週から海外のクライアントに会いに、香港に出張してくるよ」
「そうなんですね! すごいなぁ、海外のお客さんまでこなしてるなんて」
「社長の人脈だよ。俺が発掘した顧客じゃないし。……だから、今日会えてよかった」
「うん」
どちらからともなく顔を寄せ、キスを交わす。
ほんのり感じる爽やかな香りは、環がハイボールに絞ったライムの匂いだ。