極上恋慕~エリート専務はケダモノでした

 ――飲み始めてから2時間。

 3人組のサラリーマンのうち1人は、カウンターに潰れて寝てしまった。0時までの営業なのに、ミミは早々に本日貸切の看板を出した。


「イブの夜くらい、無礼講でいいのよぉ!」
「シャンパン開けちゃおう! ワインもいっとこう!」

 常連客なのか、ミミの席はどんちゃん騒ぎだ。
 一方、カウンターの末席では、万佑と環がふたりきりで話している。


「いつから浮気相手だったんだろう……途中で入れ替わったのかな……最初からそうだったのかもしれないですよね」

 しかも、いつも以上に酒が進み、万佑はすっかり酔っていた。自分がイブにひとりで過ごす羽目になった顛末を事細かに打ち明け、環に愚痴をこぼしている。

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