極上恋慕~エリート専務はケダモノでした
広報の仕事は、社内外への情報発信を任されている。
自社ブランドのブログやSNSの更新、TVや雑誌の取材対応に現行のチェック、プレスリリースとメルマガ配信、イベントの企画と進行などを通じて、自社の商材や社名を世に発信し、顧客や消費者、各メディアとの繋がりを持つ部署だ。
常に新しい情報と向き合う日々が待っているのは前職でも変わらないけれど、今度は望んだ形でPRしてもらえるように工夫する側になった。
だけど、ひとつだけ違うとしたら、最終的に社の知名度が上がるようにするのが広報の役割だということ。
広告代理店は、他社の商材のPRをするのがメインだったけれど、これからはそういった他社を、上手に活用しなくてはいけない。
自社の名前や商材に大きな成果が残せるのであれば、決まったやり方ばかりではないし、正解がどういうものなのか、ゴールがいつなのかも毎回違うので、考え方も柔軟さが求められるのだ。
そんな役割を任され、自分が適任なのかはまだ分からない。
始まったばかりの新しい日々に、不安と緊張と冒険心を持ちつつ、前に進もうとしている自分を鼓舞していきたいと、万佑は思っていた。