極上恋慕~エリート専務はケダモノでした
「このサプリメントって、1年前に発売されたものなんですか!?」
「そうなの。だけど、今になって少しずつ火が点いてきてて。いつどこで急に表舞台に出るか、こっちの予想が裏切られることもあるから、こういうチャンスを逃さないようにしないとね」
「なるほど……」
今日の打ち合わせは、過去に発売したものをどうやって新たにPRしていくかが課題だ。
情報戦とも言われている今の時代、注目してもらうだけではなく、購入まで促せるようなものでなくては、このチャンスは生かせないことは、打ち合わせに出席している社員の誰の目にも明白だった。
「こういう物って、人気のあるタレントを起用するよりも、もっと身近な人物の評価の方が、消費者には伝わると思うんです。だから、街中でのサンプリングやCMジャックから始めて、主力商品にサンプルを付けて発売したり、SNSでの口コミを広げていくほうが早いと、私は思います。情報ばかりではなくて、実際に商品を試せないと手に取ってもらえないし、流通も利便性がないと購入に至らないかと」