極上恋慕~エリート専務はケダモノでした
延々続くガールズトークにため息をつき、万佑は早々に社食を出る。
自分の恋人の評判がいいのは、嬉しく思う。
とはいえ、他の女性の恋心に火が点いて、本気になられても困る。
こればかりは、彼がどうというより、周りが放っておかないだけなのかもしれないが。
(それもこれも、私のせいなのかな……?)
とにかく今は、今日までの彼の言動を信じると決め、万佑は広報部に戻った。
「社食、混んでた?」
「ちょっと混み合ってました。ビル内の飲食店も、そろそろランチ営業は終わる時間ですから」
「そっかぁ。じゃあ、私も社食に行ってくる。これ、この後の会議資料の改訂版ね」
「ありがとうございます」
同僚から受け取った、15時からの月例会議の資料に目を通していると、内線が鳴った。
「はい。広報部 清家です」
「……あれ? 万佑?」
「え?」
電話口の声に戸惑っていると、ふふっと小さく笑う環の声が聞こえた。