極上恋慕~エリート専務はケダモノでした

「いいねぇ、その呼び方。悪いことをしてるみたいで」
「みたい、じゃなくて、してるんですって!」
「シーッ。声、大きい」

 朝の光が差し込む会議室に、廊下を行き交う社員たちの話し声が聞こえてきて押し黙る。
 手のひらから伝わる彼の温もりと射るような瞳に、じわじわと侵されるみたいだ。


「万佑、寂しかったよ。接点がなさ過ぎて、そばにいるのに声もかけられなくて」
「っ!!」

 やんわりと抱きしめられ、背中を撫でる彼の手が愛しい。
 今にも溢れだしそうだった想いは、言葉にならずとも素直さを引き出す。


「ちゃんと俺だけ見てる?」
「……はい」
「本当に? 俺、先生の望むような恋人になれてる?」
「んっ……」

 耳元で話され、唇が触れて不埒な気分にさせられる。
 こんな時に限って先生だなんて呼ばれたら、一層ドキドキしてきた。

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