極上恋慕~エリート専務はケダモノでした

 午前の来客が済み、見送ってから自席に戻ると、同僚が慌ただしくしている。


「どうしたんですか?」
「PRにクレームが入ったの。メール確認して、対応の手伝いをお願い」
「はい!」

 先輩社員の指示を聞きながら、まさか自分が担当したものではないかと、万佑は青ざめながらメールチェックをする。

(……私の案件ではなさそうだけど、対応しなくちゃ)

 新入社員の同僚が担当した、自社ブランドの女性向けの化粧水のキャンペーンについて、SNSで発信した内容が原因のようだ。

 美容品を扱っていると、目にした消費者の捉え方次第で、予期せぬ反応が届くこともある。
 特に最近は、女性らしさが義務と押しつけるような内容は問題視されることもあるので、気を付けなくてはいけない。

 差し替え内容のSNS発信やお詫びに関する対応などを、各部署の担当者と連携して対応を進めていくことになった。

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