極上恋慕~エリート専務はケダモノでした

「永縞専務、お疲れ様です」

 報告を受けて即座に各部署を回って、状況の確認をしている環が、広報部長と話しだした。
 彼は前職経験上、こういったリスク対応はお手の物。そういった面も評価され、葛城が声をかけた経緯もあるため、問題が起きれば、専務主導で事が進むことになっている。
 

「広報部は、ソーシャルメディア等のスピードがある媒体の対応を急ぎましょう。お客様にも丁寧で真摯な姿勢でお願いします。後ほど、潜在リスクを踏まえた、新しいマニュアルの共有をしてください。企業として矛盾のない対応と、社員の言動を起因とした企業批判に発展しないようにしましょう」

 ソーシャルメディアのリスクは、情報伝達の速度。こういう事態が起きれば、より迅速な対応が求められる。

 緊張感のある表情で話していた環は、的確に指示や確認をしてから、広報を後にした。

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