極上恋慕~エリート専務はケダモノでした
「ちょっと、そろそろネイルのお直し、行きなさいよ?」
箸を持つ万佑の手を見て、ミミが指摘する。多忙で後回しになっていたところだ。
根元が伸びてきていて、自爪が見えている。
「明日の帰りに予約してある。実は、今日やっと大きな仕事が一段落して」
「大変ねぇ。広報の仕事は詳しく知らないけど、万佑ちゃんならきっとどこでなにをしても上手くいくわよ」
「そうかな?」
「大丈夫よ。もしなにかあったら、また私の胸を貸すわ。……そういえば、環くんとはその後どうなったの?」
ずっと報告しようと思っていたので、話を切り出されて姿勢を正す。
「……バレンタインに告白して、今はつき合って7カ月くらい」
「そう、上手くいってよかったわ」
「ごめんね、報告が遅くなって。実は、打ち明けるのはミミちゃんが初めてなの。それに、ちゃんと顔を見てお礼が言いたかったから……。ミミちゃん、本当にありがとう」
「お礼なんていいのよ。とにかく、今日はお祝いしなくちゃ。一緒に飲んでいい?」
「もちろん」
ミミは嬉しそうに微笑みながら、中ジョッキを持って、隣に座った。