極上恋慕~エリート専務はケダモノでした

 ――翌週末、仕事が終わってから三軒茶屋駅で待ち合わせ、ミミの店にやってきた。


「環くん! もう寂しかったのよ! 私、嫌われたかしらって、気になって仕方なくて」
「ごめんごめん、本当に忙しくてさ。はい、これ。ミミちゃんの好きなほたるいかの沖漬け。機嫌、直してくれる?」
「もっちろんよぉ! さぁ、座ってゆっくりしていって。万佑ちゃんも」
「ありがとう」

 久々に環に会えたミミは、すこぶる上機嫌だ。
 抱きつきはしないものの、万佑と再会したときよりも嬉しそうなのも、ミミらしい。


「乾杯!」

 中ジョッキを手に、乾杯する。
 飲みっぷりが男らしいミミと、その横顔だけでうっとりとさせられる環に、万佑は目線を配った。

(やっぱり、ミミちゃんの店は居心地がいいなぁ。それに、こうして環さんと一緒にいると、付き合う前のことを思い出すし……)

 懐かしむほど経っていない気もするが、出会ってからというもの、環境も心境も目まぐるしく変わったせいで、随分前のことのように感じるのだった。

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