極上恋慕~エリート専務はケダモノでした
「ミミちゃん、ボトル入れるからね」
「好きにやっていいわよー! あ、環くん。私、お客さんと飲みに出たいから、店の戸締りを任せていい?」
「いいっすよ。鍵は、今度来る時にでも返せばいい?」
店の戸締りを任されるほど、彼は信頼を置かれているらしい。ミミも元は男性だし、気心の知れた環に信頼を寄せているのも不思議ではないが。
そんなことを考えながら、万佑は環が作ってくれたハイボールを飲んだ。
「万佑ちゃん、飲みすぎないようにね。環くんが帰る前に、ちゃんと帰るのよ? お代はいらないから。私からのクリスマスプレゼント代わり」
「ありがとう、ミミちゃん。ご馳走になります。またね」
スペアキーを環に預けたミミが、出がけに声をかけてきた。
上機嫌の彼女を待つ常連客は、荷物をまとめて外で待っているようだ。黒のファーコートを着たミミを見送るため、席を立って入口まで環についていく。