極上恋慕~エリート専務はケダモノでした
「まだまだ足りないところばかりだし、欠点もたくさんあると思うけど、こんな私でも愛してくれている環さんに、同じくらい愛情を返していけたらいいなぁって……環さん!? どうしたんですか?」
突然、首を垂れ、片手で目元を覆う環に驚き、焦った万佑が肩にそっと触れる。
「環さん?」
(どうしちゃったんだろう。酔いが回ってきたとか? それとも気分が悪い?)
様子をうかがっていると、隠すように目元を覆っている指の隙間から、水滴が落ちた。
「……ごめん。少しだけあっち向いててくれる?」
「どうしたんですか? 体調悪いんですか?」
「いや、大丈夫だから。……お願い、ちょっとの間だけ、外の景色でも見てて」
環は、空いた手で強引に万佑を反転させ、項垂れた。
万佑は言われた通りに、カーテンが開いたままの窓から、外の景色を眺める。
(環さん、どうして?)
映りこんだ環が、大粒の涙をYシャツの袖口で拭っている。
きっと見せたくなかったのだろうと、万佑は彼の言葉の意味を察し、声が掛けられるまで待つことにした。