極上恋慕~エリート専務はケダモノでした
(涙腺脆くなったなぁ、俺)
プロポーズの返事をもらえたわけではない。
だけど、感極まってしまい、涙を抑えられなかった。
「万佑、ごめん」
「……大丈夫?」
「もう平気。気にしないで」
(この調子だと、ウェディングドレス姿の万佑を見た瞬間、涙腺崩壊だな……)
万佑を抱きしめて背中を撫でながら、環はそう遠くない幸せな未来に想いを馳せた。
(もしかして、やっと私が結婚のことを話したから?)
彼が涙した理由を考えれば、直前の出来事しか思い当たらない。
そうだとしたら、どれだけ彼に愛されているのだろう。
抱きしめられている身体だけでなく、心の奥まで温もりが満ちていく。
「さっきの続きなんですけど、これからも心の中を話してくれますか?」
「万佑がいいなら、喜んでそうするよ。しつこいくらいに、好き好き言うと思うけど」
「それがいいです」
見つめ合ったふたりは、どちらからともなく微笑み、穏やかなキスを交わす。
「万佑、抱きたい」
「……うん」
万佑の手を引いてリビングを出た環は、廊下の途中で万佑を抱き上げ、寝室に向かった。