極上恋慕~エリート専務はケダモノでした

「万佑は、きっと俺が甘いって言うだろうけど」
「ふふっ、言おうと思ってました。無理はしないでなんて」

 結婚しても仕事を続けると決めるのは自分なのだから、やるべきことはやらなくてはいけないと思う。
 会社では仕事や人間関係を、家では家事。
 それが当然だと思っていたからこそ、万佑は環の考えを聞きたかったのだ。

 それなのに、彼は何の迷いもなく自由をくれた。
 無理はしないでなんて、優しすぎる約束をされたら、彼の気持ちに応えるべきだろうと、決意が固まっていく。


「でもね、俺には騙されちゃいけないよ?」
「え?」
「彼女を甘やかして大切にして、なりふり構わずに手に入れようとしてるだけなんだから」

 環が強張った表情をふっと崩して微笑む。万佑は、そんな彼がとても愛おしくなった。

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