極上恋慕~エリート専務はケダモノでした
――北風が窓の外を掻き乱す。
雲の間からは月が時折顔を出し、寝静まったクリスマスイヴの夜を色づけている。
10分ほど前まで、愛を確かめ合っていたふたりは、ベッドで身を寄せ合う。
喘いでいた喉が少し痛くて、万佑がサイドテーブルに手を伸ばすと、気づいた環が先にペットボトルを取り、キャップを開けてくれた。
「俺たちのこと、次の春にでも公表しようと思うんだけど」
「いいですよ。その頃には、婚約も済ませているし、きっと人事の方には知られるもの」
「そうか、それもそうだな」
「でも、どうして春まで待つの? 年明けでもいいのに」
肌と肌が触れ合う心地良さは、癖になる。
環は背中から万佑を抱きしめ、少し乱れた髪にキスをした。
「もう少し、秘密の社内恋愛を楽しみたくなったから」
「んっ……」
肩先にキスをされ、わずかに竦めた。
反対側には、昨晩つけられた真新しい印が色鮮やかに咲いている。
今となっては、環の方が秘密の関係を楽しむようになり、万佑は社内恋愛に躊躇しなくなった。
立場が逆転したふたりは、月明かりの中で見つめ合った。