同期以上、彼氏未満
そんなある日。
夕方、会社で仕事をしていると、スマホが鳴った。
詩織からだ。
勤務中に電話してくるなんて、珍しい。
何事かと思って出ると、
『恵、大変だよ!
昴がケガして、救急車で運ばれたって!』
「え?」
頭が真っ白で、詩織がなんかしゃべってるけど、頭に入ってこない。
『だから、2駅先の大学病院に搬送されたんだってば』
「う、うん、わかった」
電話を切ったあと、しばらく呆然としていた。
とりあえず、帰らなきゃ。
やりかけの仕事を放置し、バッグとコートを持って課長のところへ行った。
「すみません、体調不良のため早退させてください」
「え、杉森、大丈夫か?」
「大丈夫です、失礼します」
体調不良なのに、走り去る私。
「佐久間、体調不良で杉森早退だから。
・・・って、あいつ何で走ってんだよ」
「いいじゃないですか課長。
杉森は、ちゃんと仕事する部下ですよ」
「そうだな」
佐久間先輩と課長の間でそんな会話が交わされていることも知らず、私はタクシーに飛び乗り、病院へ向かった。
「すみません、浦野昴という男性が救急搬送されたと聞いたんですが」
「ご家族の方ですか?」
「いえ、会社の同僚です」
「では、こちらにご記入ください」
息を切らして走りこんできた私に、受付の女性は冷静に対応してくれた。
夕方、会社で仕事をしていると、スマホが鳴った。
詩織からだ。
勤務中に電話してくるなんて、珍しい。
何事かと思って出ると、
『恵、大変だよ!
昴がケガして、救急車で運ばれたって!』
「え?」
頭が真っ白で、詩織がなんかしゃべってるけど、頭に入ってこない。
『だから、2駅先の大学病院に搬送されたんだってば』
「う、うん、わかった」
電話を切ったあと、しばらく呆然としていた。
とりあえず、帰らなきゃ。
やりかけの仕事を放置し、バッグとコートを持って課長のところへ行った。
「すみません、体調不良のため早退させてください」
「え、杉森、大丈夫か?」
「大丈夫です、失礼します」
体調不良なのに、走り去る私。
「佐久間、体調不良で杉森早退だから。
・・・って、あいつ何で走ってんだよ」
「いいじゃないですか課長。
杉森は、ちゃんと仕事する部下ですよ」
「そうだな」
佐久間先輩と課長の間でそんな会話が交わされていることも知らず、私はタクシーに飛び乗り、病院へ向かった。
「すみません、浦野昴という男性が救急搬送されたと聞いたんですが」
「ご家族の方ですか?」
「いえ、会社の同僚です」
「では、こちらにご記入ください」
息を切らして走りこんできた私に、受付の女性は冷静に対応してくれた。