Sex
第6章。スーパー
美容師はやはり続かず1年もせずやめた。

そしてバイトとしてはいったスーパーでまさかの出会いが

その彼は本当に忘れられない存在になった。

職場恋愛となった彼だが本当に結婚すると思っていた。
でも私はこの彼にはちゃんといままでの過去を全部話した。
そしてセックスができないことも。

それでもいいといってくれ交際がスタートした。

彼は一人暮らしだったので半同棲生活が始まった。
人生で初めて料理をし、洗濯や掃除をし
彼の帰宅をまちおかえり、ただいまという
幸せな日々が続いた。
毎日職場で会えるし休みの日には彼とデートか家で一緒に
ご飯やお風呂。

本当に幸せな毎日でセックスも全然要求してこなかった。
本当にこの人と結婚できると思っていた。
はじめて1年半も付き合い親にも親戚にも友達にも紹介し
本気で旦那として毎日をすごしていた。。。


ある日彼の部屋を掃除しているとコンドームの箱をみつけた。
私と使ってもないのに1つ使用していておかしいとは思っていたが浮気とは
思わなかった。
それから1週間後、またそうじをしていたら
クーラーボックスがあった。
彼は釣りが趣味だ。でもいつもはないのに、おかしいなと
おもいながらあけてみた。

中にはシャンプーやスエット。化粧品にブラジャー。
ショックだった。友達に何人も相談したけど
確実に浮気してるって。
その夜、仕事が終わり彼の部屋へ
話し合う前に抱き締めてもらった。
これで抱き合うことも最後になると思ったから。

最後の彼の手料理。最後の2人で過ごした部屋。最後の彼の顔と声。
私は目をつむり歯をくいしばった。

ゆっくりとクーラーボックスの中身についてを聞いた。
正直に彼は答えた。
相手は同じ会社の女。私たちの会社は職場の移動がある。
移動先の女とか。

過呼吸になりながら話を聞くが泣きすぎて苦しくて
とても現実とは思えない悲痛な叫びが体の奥からこみあげてきて
私は気づけば包丁を手にしていた。
よく自殺のふりしておどすなど世間では言っているが
そうではない。

苦しくて辛くて。ただ楽になりたかった。
それをとめる彼。家の外へ飛び出した。階段から落ちようとするが
またしてもとめられた。
ここまで人を傷つけておいて優しくするなんて
本当に男という生き物はどこまでも勝手で卑怯だ。

そしてはじめて心から結婚しようと思っていた1年半続いた彼とは終わった。

問題はここからだ。親や職場の人になんて言おう。
彼を守るため嘘をつくか。
いや私はそこまで優しくない。
それにこの先、彼がしたことを黙っていたら
第2、第3の私が生まれることになる。
私は正直に親と職場の人に言った。

みんな信じられないみたいだった。なかには泣いてくれたひともいた。
だがひどい人は「そりゃーヤらせんからじゃ。エッチさせんと浮気されるわ」
その言葉を聞いて殺そうかと思った。
人がどれだけ傷ついているか、なぜそこまでセックスができないのかも知らずに

父は怒りをしずめれなかった。2年たった今も。
娘にしたことを怒ってるのではなく
人として、男としてまずあやまりにくるだろうと。
父も釣りにつれていったり飲みにつれていったりとかなり
かわいがっていたからなのだ。

これは別れてだいぶたってから聞いた話だが
浮気相手とはデキ婚したらしい。
私と別れる時にはすでにこどもがいたんだって。
同じ会社だからいまでもいろいろと情報ははいってくる。

いまでも時々思い出す。たぶん一生忘れない。
本当にドラマのワンシーンみたいな出来事だった。
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