先輩の彼女にしてもらいました
「先輩、違うから、全部嘘だから、アキちゃんの言ったことは全部全部嘘だから。私を信じて、私のことだけを信じて」

私の2メートル先を走る先輩の背中に必死に叫んだ。

周りの人がこちらを振りかえるけれど、もうカッコ悪くったってなんだってかまわない。先輩に伝えたいんだ。

「先輩、大好きだから先輩だけだから。私だけを信じてっ」

彼は、走る速度は緩めなかったけれど、少しだけ横を向きうなずいてくれたような気がした。

そして、拳を握った右腕を合図するかのように軽く上げてくれた。

あと先輩まで、1メートルくらいの距離にまで、追いつけたけれどここまでが限界だった。

私は、立ち止まり肩で息をしていたけれど、彼の背中が小さくなるまで見送り、すぐに踵を返して再び今度は反対側へと走り出した。

アキちゃん達がいたロビーのほうへ走り出していた。

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