先輩の彼女にしてもらいました
「やるしかねーだろ、インターハイ1回戦まで時間がないんだからな、それにエースのつばさが、こんなふがいない状態なんだ。他の奴らが頑張るしかないだろ」

うっ、なんだよ。全部俺のせいかよ。

たしかに県大会の決勝戦で痛めた足はまだ少し違和感が残る上に、俺の調子がここ最近上がっていかないのは本当だけどさ。

だからって、全国大会まであと何日もないのに練習量を無理に増やしたところで、どうなるものでもないのに。

いや、岳のことだから他にもなにか狙いがあるのだろうか。

「そーっすよね、いつもいつもつばさ先輩にばかり頼ってたらいけませんよね、キャプテン、新しいメニューでやり直します」

根が素直な武田は、俺のためだと言われると、単純にやる気をだしたみたいだった。

「おー、お前ら、やるぞっー」

後輩達を指揮して、新しいメニューにとりかかろうとする。

「お、おい、待てよ、武田、おまえら」

そんなことを言われてしまっては、俺は武田達にかける言葉も詰まってしまう。

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