先輩の彼女にしてもらいました
バザバサバサーッ
その時、物が体育館床に落ちる音が響きわたった。
振り向くと、蒼井さんが、大量の備品を落としてしまい、それを拾おうとして蹴つまずいて転んでしまっていた。
見ると、顔が赤くて泣きそうな顔をしている。
「蒼井さん」
俺が慌てて、駆け寄ろうと走り出す前に、彼女の傍には時田が駆けよって、彼女に手を貸して立ち上がらせる。
はやっ、すばしっこいな時田の奴。
そもそもあいつ彼女のことをずっと見ていたんじゃないのか。
そう思うくらいに時田は彼女を助けるための反応が早かった。
またかよ、最近いつもこうだ。
まったく、俺は間が悪い。
彼女が、マネの仕事の手伝いで、重い荷物を運んでいたり、困っていそうな時に、俺がグズグズしているうちに、時田は躊躇することなく彼女に寄っていくんだ。