先輩の彼女にしてもらいました
「俺が蒼井を賭けろなんて言うわけないです、蒼井をちゃんと見てやってくれって、ちゃんと話してやってほしいって、言いたかっただけです」

時田は、頬を赤く染めて俺をまっすぐに見つめる。

そして、ペコリと頭を下げて岳のもとへ走っていった。

なんだ?今のはどういう意味だよ、時田。おまえ。

「クッソ、あの野郎、かわいくねーやつ」

ムカムカと時田に対してどうしょうもなく、腹が立ってきた。

素直に、蒼井さんを賭けろとか、俺に譲れとか、言えばまだ可愛げもあるのに。

大人ぶりやがって。彼女を全部わかってるような言い方しやがって。

おまえのそういう、陰ながら彼女を支えてます、みたいなとこが1番胸糞悪いんだよ。

よし、こうなったら。

< 390 / 450 >

この作品をシェア

pagetop