先輩の彼女にしてもらいました
なぜかはわからないが、俺は未だに桜には頭が上がらないのだ。

「つばさって、ほんとになんにもわかってないんだね」

ハアーッと大袈裟にため息をつかれた。

「はあ?なにが」

「蒼井さんは、そんな弱い子じゃないよ。むしろつばさよりも、ずっとしっかりしてるし、マネージャーの仕事も丁寧に一生懸命やってくれてるよ」

「だけど、彼女には、もっとやりたいことが」

「陸上のこと?だけどそれは蒼井さんが決めることだし、いくら彼氏でもつばさが指図することじゃないでしょ」

「けど、彼女には才能があるんだし」

「ホントに、成長しないね、つばさって。そんなんじゃ私の時と同じになっちゃうよ」

「うっ、今、そんな話は関係ないだろ」

不意打ちで、昔の話をされてバカみたいにうろたええてしまう。

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