先輩の彼女にしてもらいました
不思議とどこも、痛くない。多分先輩が体を張って、クッションになってくれたんだ。

「大丈夫だよ。あ、ごめんなさい」

先輩の上に乗っていたのに気がついて、慌てて離れた。

先に立ち上がったので、私は先輩の手を両手で引っ張りあげた。

「いってー」

背中をさすりながら立ち上がった先輩の後ろにまわってみる。

左肘を擦りむいていて血が出ていた。

「先輩、怪我してる、大丈夫?」

「大丈夫、大丈夫、こんなもん、唾つけときゃ治る」

「怪我の手当てしないと」

「ほんっとに大丈夫だって。にしても蒼井さんにはビックリしたなー。めちゃめちゃ早かった。蒼井さんが本気で走ったら俺でも負けるよ」

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