響くんとは付き合いません!!
「じゃあ今日の放課後は、俺と一緒に帰るからむりって断れよ」
私の顎から手を離し、右腕も解放してくれた早瀬くんは満足そうに笑った。
「うぅ……わかったよぉ」
九折くんには申し訳ないけど…。
こうなってしまった以上、放課後は断るしかないか。
付き合ってもない人とキスなんてやっぱり考えられないし。
ましてや早瀬くんなんか嫌いだし…。
「そのときは早瀬くんと一緒に帰る、じゃなくて響くんと一緒に帰るって言えよ?」
「ひびきくん…?」
「そう。これからは響って呼んで」
早瀬くん……じゃない、響くん。
男の子を下の名前で呼んだことないから、なんだか恥ずかしいけど。
こくん、と首を縦に振った。