響くんとは付き合いません!!



「そんなにしたい?」

「したいなぁ。ひーくんがしてくれないなら、私からしちゃうよ?」



ちょっと待って…。

この声ってまさか…。



響くんと、ここちゃん……?



一瞬、息が止まりそうになった。

熱のせいではやくなった脈が、ドクドクと一気に加速する。



「返事がないなら本当にしちゃうからね?」



影がひとつしか見えないということは、響くんはベッドに寝転んでいるようだ。



白いカーテンの向こうの影が身を屈めると、長い髪がゆらりと揺れる。



ギシッ、とベッドがきしむ音。

小さく、チュッとリップ音が聞こえた。



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